公式LINEがブロックされる原因の大半は、配信の中身ではなく順番です。思いつきで配信するから、読者の温度と合わないメッセージが届いてブロックされる。先にシナリオという設計図を作れば、この事故はほぼ防げます。
LINEシナリオの作り方は、5ステップで覚えられます。この記事を順番に読めば、公式LINEに登録してくれた人たちに、どんな配信をどんな順番で送ればいいかを自分で考えられるようになります。resolvesが自社と顧客の公式LINE運用で実際に使っている手順です。

LINE配信のシナリオとは何か
シナリオとは、友だち追加からゴールまでの配信全体の設計図です。何通目に何を送るか、何日空けるか、各配信の役割は何か。この3つを先に決めた表がシナリオで、1通1通の文面はその設計図に載せるパーツにすぎません。
家を建てるとき、図面なしで木材を切り始める大工はいない。配信も同じです。文面から書き始めた公式LINEは、ほぼ確実に途中で行き詰まります。
シナリオの意味を知っている人は、ここから先のSTEP1に進んでください。
STEP1 読者に最後にしてほしい行動を決める
最初に決めるのは、読者に最後に取ってほしい行動ひとつです。無料相談の予約、来店、商品の購入、資料請求。どれかひとつに絞ってください。
ゴールがふたつあるシナリオは、両方とも中途半端になります。相談も来店も狙った配信は、読者から見ると何を求められているのかわからない。迷った読者は行動せず、そのまま離れていきます。
たとえば整体院なら初回来店の予約、コンサル業なら無料相談、ECなら初回購入。ここで欲張って、来店予約と物販と求人応募を1本のシナリオに詰め込む店舗が本当に多い。目的が複数あるなら、シナリオを分けるのが正解です。
ゴールを決めたら、その行動の手前にある心理状態を逆算します。無料相談を予約する人は、何に対して納得して予約したのか。この会社は信頼できる、自分の悩みをわかってくれる、相談してもしつこく営業されなさそう。この心理状態をどの配信で作るかが、シナリオ全体の骨格になります。
STEP2 読者の状態を分ける
同じ友だち登録でも、読者の温度はバラバラです。店頭のPOPから登録した人と、広告から特典目当てで登録した人と、SNSで発信を追いかけてから登録した人。知っている情報も期待していることも違います。
全員に同じ配信を送ると、誰かにとっては当たり前すぎて、誰かにとっては唐突すぎる内容になる。だから配信の前に読者を分けます。
とはいえ、最初から細かく分ける必要はないです。まず分けるべきはふたつだけ。
- 新しく友だち追加した人。シナリオ配信の対象で、関係づくりから始める
- すでに取引や来店のある人。売り込みの段階は飛ばして、リピートや紹介につなげる
登録経路ごとの出し分けは、この2区分で回し始めてからで間に合います。細分化を先にやると設定が複雑になって、配信が始まらないまま止まっている公式LINEをよく見ます。シナリオは走らせながら分けていくもので、分け終わってから走らせるものではないです。
STEP3 通数と間隔を決める
シナリオの通数は、読者に伝えるべきことの数で決めます。STEP1で逆算した心理状態を思い出してください。この会社は信頼できる、自分の悩みをわかってくれる、しつこく営業されなさそう。この3つを感じてもらう必要があるなら、それぞれに1通ずつ、最低3通の配信が要ります。伝えることが増えるなら、その分だけ通数を増やす。1通で2つのオファーをかけないでください。
そのうえで間隔です。僕が実務で守っているのは、最初の3〜5日間に手厚く送ることです。友だち追加の直後は読者の関心が一番高く、時間が経つほど登録した理由すら忘れられていく。初日にあいさつと特典、2日目からは関係づくりの配信を置いて、この3〜5日で読む習慣を作ります。
そこから先は2〜3日おきに間隔を空けて、2週間前後でゴールのオファーまでたどり着く。これがresolvesで標準にしている組み方です。

間隔を空ける理由は、読者の受信箱の都合です。読者の側から見れば、あなたの公式LINEは受信している数十のアカウントのひとつでしかない。毎日届けば熱心ではなく、しつこいと記憶されます。逆に1週間以上空くと、次の配信が届いたときに誰だったか思い出せない。この間で調整します。
毎日送り続けるシナリオも世の中にはありますが、業種と読者によって最適な間隔は変わります。断定できるのはひとつだけ。間隔はシナリオ表に先に書いておくこと。その日になってから今日送るかどうかを考える運用は、必ず途切れます。
STEP4 各通の役割を1つに絞る
通数が決まったら、1通ごとに役割をひとつだけ割り当てます。この配信は自己紹介、この配信は悩みへの共感、この配信は事例紹介。役割をひとつに絞ると、文面は自然に短くまとまります。
順番には原則があります。情報提供で信頼を作り、共感で距離を縮め、最後に提案する。この順番を守らず、2通目からオファーを出すシナリオは読者に売り込みと判定されて、そこでブロックされます。
7通で組む場合の役割の例を出します。
| 通数 | タイミング | 役割 |
|---|---|---|
| 1通目 | 追加直後 | あいさつと特典の受け渡し |
| 2通目 | 1日後 | 自己紹介。誰が何のために配信するか |
| 3通目 | 2日後 | 読者の悩みへの共感と問題提起 |
| 4通目 | 4日後 | 悩みを解決する情報の提供 |
| 5通目 | 7日後 | 事例やビフォーアフターの紹介 |
| 6通目 | 10日後 | 予約や購入などの提案 |
| 7通目 | 13日後 | 締め切りや限定枠での後押し |
このまま使う必要はないです。大事なのは、シナリオ表のこの列が埋まっているかどうか。役割の列が書けない配信は、そもそも送る理由がない配信です。
STEP5 文面を書く
設計図ができて、はじめて文面です。resolvesが実運用で使っている文面ルールをそのまま出します。

まず、スマホの画面幅を基準に11〜15文字で改行する。パソコンで書いた長い1行は、スマホでは不揃いな塊になって読み飛ばされます。うちではこの改行幅を例外なしの絶対ルールにしています。
1通1メッセージ。STEP4で決めた役割から外れる話題は、書きたくても次の配信に回す。
冒頭の1行で用件がわかるようにする。LINEは通知とトーク一覧で最初の数文字しか見えない。そこで興味を引けなければ開封されません。
絵文字は文中に散らさず、見出しや区切りに絞って使う。全文に絵文字が混ざった配信は、それだけで広告として処理されます。
流れは、背景、本題、補足、リンクの順。リンクは、予約や購入など最後にしてほしい行動につながるものを1通にひとつだけ置きます。
なお、この型に沿った文面の下書きはAIでかなり効率化できます。やり方は別記事の「LINEステップ配信をAIで作る方法」で解説しているので、シナリオ表ができたらあわせて読んでください。
ここまでのSTEP1から5を埋めれば、シナリオ表は完成です。自分で組んでみて手が止まった人は、実際のシナリオを見ながら相談してもらったほうが早いです。
通数と間隔はどれくらいが目安か?
初回のシナリオなら、5〜7通を2週間前後で送り切る組み方が扱いやすいです。前半は詰めて、後半は空ける。この形なら読者の関心が高いうちに関係を作り、飽きられる前にオファーまで届きます。
ただし、この数字は出発点であって正解ではないです。高額サービスなら決断の前に伝えるべき情報が多く、通数は増える。飲食店の来店促進なら、もっと短くていい。決め手は業種ではなく、読者に伝えるべきことの数です。
迷ったら短めに組んで公開し、反応を見て継ぎ足してください。長すぎるシナリオを削るより、短いシナリオを伸ばすほうが運用は楽です。
配信文の書き方に型はあるのか?
あります。STEP5で書いた5つのルールがそのまま型です。11〜15文字での改行、1通1メッセージ、冒頭1行で用件、絵文字は区切りだけ、リンクは1通にひとつ。
型どおりに書くと個性が消えると心配する人がいますが、逆です。読みやすさを型に任せるから、中身の言葉に集中できる。型を無視した自由な文面は、個性が出る前に読み飛ばされます。
ツール側の話をすると、この記事のシナリオはLINE公式アカウントの標準機能にあるステップ配信で組めます。読者の行動で分岐させたり、タグで細かく出し分けたりしたくなった段階で、Lステップのような拡張ツールを検討すれば十分です。どちらを使うべきかは「LINE公式アカウントとLステップの違い」の記事で比較しています。
LINEシナリオ作成でよくある失敗3つ
実務でよく見る失敗は3つです。

1つ目は、売り込みだけの連投。シナリオという言葉を知って、オファーを7回送る設計にしてしまうパターンです。読者は1通目で察してブロックする。配信は続いているのに友だちが減り続けている公式LINEは、ほぼこれが原因です。
2つ目は、全通にCTAを入れること。毎回リンクとボタンが付いていると、読者は毎回何かを売られていると感じます。前半の配信は、読んで終わりでいい。リンクを置かない配信が、あとのオファーの反応を作ります。
3つ目は、シナリオを作って放置すること。1年前に組んだシナリオが、開封も反応も測られないまま流れ続けている。シナリオは一度作ったら終わりの成果物ではなく、数字を見て直し続ける運用物です。最低でも月に一度、どの配信でブロックが増えているかを見てください。
LINEシナリオ作成のよくある質問
何通目から売り込みをしていいですか?
読者の状態で変わります。新しく友だち追加した人は関心が一番高い状態なので、初回のシナリオではオファーをかけて構いません。一方、既存の登録者は熱量が冷めている可能性があるので、前半では売り込まないでください。情報提供と共感の配信を最低3通置いて、温度が戻ってから提案する。逆に、最後まで一度もオファーしないシナリオも意味がない。提案は遠慮ではなく順番の問題です。
配信する時間帯はいつがいいですか?
読者の生活で、スマホを触っている時間に送るのが原則です。会社員向けなら通勤時間か昼休みか夜、主婦層なら昼過ぎ、店舗の予約導線なら来店を決めやすい時間帯。正解は読者ごとに違うので、時間を変えて開封率を比べて、高い時間に固定してください。
シナリオの文面は自分で書かないとだめですか?
型とシナリオ表があれば、下書きはAIに任せられます。役割と改行ルールを指示すれば、たたき台は数分で出ます。ただし、実体験や事例の部分は自分の言葉に差し替えてください。そこがテンプレのままだと、どの会社でも送れる配信になって反応が出ません。
反応が悪いとき、どこから直せばいいですか?
順番があります。まず開封されていないなら1通目と配信時間。開封されているのにリンクが押されないなら、オファーの内容と置き場所。ブロックが特定の配信で増えているなら、その1通の役割と間隔。全部を一度に直すと、何が効いたのかわからなくなります。
シナリオができたら、配信後に定期的に数値を見ながら改善するだけ
配信のゴールを決め、読者を分け、通数と間隔を決め、各通の役割を絞り、型どおりに文面を書く。この5ステップで、登録してくれた人たちにどんな配信をどんな順番で送るか、自分で考えられるようになります。ここまで読んだら、まず1通目に何を送るかから決めてください。
それでも、自社の業種でこの設計が合っているのか、オファーをどこに置くべきか、判断に迷う部分は残ると考えています。resolvesでは自社と顧客の公式LINEを実際に運用している実務者が、シナリオ設計の相談を無料で受けています。作りかけのシナリオ表を持ち込んでもらえれば、その場で直します。
サービスの詳細は公式LINE運用代行のサービスページにまとめています。
この記事を書いた人
笹島拓也|株式会社resolves 代表取締役
2022年に独立、2025年10月に法人設立。SNS・AIスクール講師として受講生2,000人超を指導。東京MX「Powered by TV ~元気ジャパン~」など複数メディアに出演。参院議員選挙のWebプロモーション、不動産・建築業のYouTube・LINE運用、製造業のInstagram運用・採用支援、行政の空き家活用事業PV制作など、業種を問わず法人のマーケティング支援を手がけている。
