喫茶店でお茶を飲んでいただけなのに、歯の状態を見抜かれた。
久しぶりに会った高校時代の部活の後輩は、今年から富山で歯科医院を開業している。テーブルを挟んで近況を話していただけなのに、解散した日の午後、こんな連絡が届いた。
「おそらく先輩の歯茎の状態から〇〇になってる可能性が高いので、まず検査をして、分析した通りの症状なら、こういう治療から始めたほうがいいです」
診察台にも座っていない。問診票も書いていない。ただテーブルを挟んでお茶を飲んでいただけだ。
株式会社resolves代表の笹島です。今回は、この後輩から感じたプロフェッショナルの本質と、マーケティングにも通じる「予防」の話を書く。
高校時代の後輩が歯科医になっていた
彼は今年から地元の富山で歯科医院を開業している。受付の奥さんと歯科衛生士のスタッフたちと一緒に立ち上げた医院だ。
話を聞いて印象的だったのが、虫歯を治すことよりも予防に力を入れているということ。
治療と予防を完全に2分割して、患者一人ひとりに合わせた予防プログラムを組んでいる。虫歯になったら治す、ではなく、虫歯にならない状態を維持する。そこに重点を置くスタイルだ。
この考え方に、同じ経営者として強く共感した。
喫茶店のテーブル越しに歯の状態を見抜かれた
驚いたのはその後だった。
喫茶店でテーブルを挟んで近況を話していただけなのに、彼はわたしの口元や歯茎の状態をさりげなく観察していたようだ。もしかすると咀嚼回数や飲む水のペースなども見ていたのかもしれない。
そして解散したその日の午後。検査の提案と、もし分析した通りの症状が出ていた場合にどんな治療を始めたほうがいいか、具体的なフィードバックが届いた。
ただお茶を飲んでいただけだ。診察台に座ったわけでもない。なのに、日常の会話の中で相手の状態を読み取り、帰ってすぐにフィードバックをくれた。
これがプロフェッショナルの仕事だと感じた。
虫歯を治すのが歯医者じゃない
彼の医院は、問題が起きてから対処する対症療法ではなく、問題が起きる前に手を打つ予防型の歯科医院だ。
多くの人は歯が痛くなってから歯医者に行く。でもそれは、すでに悪化した状態からのスタートになる。治療コストも時間もかかる。なにより対症療法が重なると歯の寿命を縮めることにもなる。
一方で、定期的に検診を受けて予防していれば、大きな治療が必要になるリスクそのものを減らせる。
壊れたものを直すのではなく、壊れない状態を作る。これが治療の本質だ。
Webマーケティングの支援も同じだと感じた
この予防の考え方は、わたしたちがやっているWebマーケティングやブランディングの支援にもそのまま当てはまる。
弊社がお客さんの支援をする際、直近の課題を洗い出すのは当然だ。でもそれだけでは足りない。
今の世の中のトレンドを踏まえて、半年後や1年後に何が起きそうかを予期する。会社の状況にも目を向ける。たとえば離職率が目立ち始めているなら、採用ブランディングを今のうちに強化しておいたほうがいい。SNSのアルゴリズムが変わりそうなら、検索流入の比率を上げておく準備が要る。
将来的に発生しそうな課題に対して、今のうちから対策できることがないかを考えて、早期に手を打つ。ここまでやって初めて、本当の意味での支援だと考えている。
「アクセスが落ちてきたから何とかしたい」と相談が来る頃には、すでに検索順位が下がり、競合に追い抜かれ、立て直すのに時間もコストもかかる状態になっている。
歯が痛くなってから歯医者に駆け込むのと、まったく同じ構造だ。
だからこそ、課題として何か不足を感じていなくても、定期的に現状を確認してほしい。それが、ビジネスにおける最大の予防策になる。
プロフェッショナルは「仕事中」だけじゃない
彼は高校時代の部活でも、バイタリティに溢れた取り組みをしており、練習に全力で向き合うタイプだった。
その姿勢は、歯科医になった今もまったく変わっていないように見える。
喫茶店でお茶を飲みながら、さりげなく相手の口元を観察して、帰ってすぐにフィードバックを送る。これは意識してやっているというより、もう身体に染みついた行動なんだろう。
プロフェッショナルの仕事は、オフィスや診察室の中だけに現れるものじゃない。日常の中に滲み出る。オンとオフの境目がない人は強い。
わたし自身、経営者としてその域に達しているかと問われると、正直まだまだだ。でもこの後輩に会って、改めてそこを目指したいと感じた。
次からお茶するときはマスクを付けようと思う
歯茎の色や状態、微かな口臭から歯の状態がわかるらしい。
次から一緒にお茶するときはマスク付けようかな(笑)
そんな冗談は置いておいて、実際にわたしは彼の予防治療に通おうと考えている。
プロフェッショナルの仕事を間近で見せられたら、任せたくなる。これは理屈じゃなく、信頼だ。
日常の中に滲み出るほどのプロ意識をわたしも身につけたいと思う。
まとめ
- プロフェッショナルの仕事は仕事中だけに現れるものではなく、日常の中に滲み出る
- 歯科でもマーケティングでも、対症療法より予防に本質がある
- 問題が起きてからの対処はコストも時間もかかる。早期発見と早期対策が最善の手段
- 今の世の中のトレンドや会社の状況を踏まえて、将来の課題を予期して手を打つことが大事
- 課題を感じていなくても、定期的な現状確認がビジネスにおける最大の予防策になる
よくある質問
Q. マーケティングの「予防」とは具体的に何をするのですか?
現状のアクセス数や検索順位、競合の動き、SNSの反応などを定期的に分析し、数字が下がり始める前に対策を打つ。業界のトレンドや社内の人材状況も含めて、半年後・1年後に起きそうな課題を予期して早期に手を打つのが予防です。
Q. 特に課題を感じていなくても相談していいのですか?
むしろ課題を感じていない時こそ相談してください。今うまくいっている状態が永久に続くと考えるのはリスクです。定期的に第三者の視点で現状を確認することで、見えていなかったリスクに早く気づけます。
Q. 歯科医院のように定期的なチェックは可能ですか?
弊社では、継続的にお客さんのWebマーケティングの状態を確認し、改善提案を行う体制を取っています。単発の施策ではなく、長期的な視点で事業の成長を支援することに重きを置いています。
この記事を書いた人
笹島拓也|株式会社resolves 代表取締役
2022年に独立、2025年10月に法人設立。SNS・AIスクール講師として受講生2,000人超を指導。東京MX「Powered by TV ~元気ジャパン~」など複数メディアに出演。参院議員選挙のWebプロモーション、不動産・建築業のYouTube・LINE運用、製造業のInstagram運用・採用支援、行政の空き家活用事業PV制作など、業種を問わず法人のマーケティング支援を手がけている。
